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バイリンガル教育:0歳からの言葉と脳の発達、海外で生きる力まで

9分で読めます ·

ふたつ以上のことばで育つ子どもの脳、ことば、人とのかかわりについて、学術誌に載った9つの研究からわかることを、何歳から始めるかとあわせて解説します。

子どもと一緒の海外移住を考えていますか?Murblzの担当者が、ご家族に合う国と在留資格を一緒に選びます。移住の道を相談する

要点

  • 混乱しない:ふたつのことばで育つ子のことばの習得の速さは、ひとつのことばで育つ子と変わりません。
  • 脳は1歳前から準備している:生後6〜12か月で、よく聞くことばの音を聞き分ける力が伸びます。
  • 柔軟さと伝える力:12か月のバイリンガルの赤ちゃんは学び方が柔軟で、16か月で相手の立場からことばを理解します。
  • 3つ目、4つ目のことばも:3言語で育つ子どもは、2言語の子と同じ認知面の強みを示します。
  • 早いほど伸びる:移住した年齢が若いほど、移住先のことばの到達度は高くなります。

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くわしく

晴れた日の住宅街の公園で、父親と2歳の息子がしゃがんでどんぐりを拾い、子どもが手のひらを見せて笑っている
はじめてのことばは、毎日の小さな発見から生まれます。写真:Murblz

バイリンガル教育について調べはじめた親が、最初にぶつかるのは同じ不安です。ふたつのことばを聞かせたら、子どもは混乱しないか。日本語が遅れないか。そして、いつから始めればいいのか。過去20年あまりの発達心理学、神経科学、言語習得の研究は、これらの問いに具体的な答えを出しています。ここでは、査読つきの学術誌に載った9つの研究から、親が知っておきたい事実をまとめます。

「ふたつのことばで混乱する」は本当か

イタリアの国際高等研究所のKovácsとMehlerは、2009年に『サイエンス』(Science)誌で、研究の出発点としてこう書いています。バイリンガル環境で育つ子どもは、ひとつのことばで育つ子のおよそ2倍のことを学ばなければならないのに、習得の速さは同じくらいだ、と。そのうえで彼らは、ことばを話す前の12か月のバイリンガルの赤ちゃんが、ふたつの異なる規則を同時に学ぶ場面で両方を身につけ、モノリンガルの赤ちゃんは片方しか身につけなかったことを示しました。論文の言葉では“preverbal 12-month-old bilingual infants have become more flexible at learning speech structures than monolinguals”(話しはじめる前の12か月のバイリンガル児は、モノリンガル児より柔軟に音声の構造を学ぶようになっている)です。

つまり、ふたつのことばは子どもを混乱させるのではなく、学び方そのものを柔軟にします。2倍の量を同じ時間で学べるのは、そのためだと研究者は説明しています。

1歳までに、耳はことばに合わせて育つ

バイリンガル教育を何歳から始めるかを考えるうえで、乳児の耳の研究は欠かせません。ワシントン大学のKuhlと、日本の林安紀子、出口利定、桐谷滋らの共同研究は、2006年に『ディベロップメンタル・サイエンス』(Developmental Science)誌に発表されました。アメリカと日本の生後6〜8か月と10〜12か月の赤ちゃんに、英語の「r」と「l」の違いを聞かせたところ、生まれてから毎日聞いていることばの音は、1年目のうちに聞き分ける力がはっきり伸びました。一方、ふだん聞かないことばの音を聞き分ける力は、同じ時期に下がりました。

慶應義塾大学の皆川泰代らは、2007年に『ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス』(Journal of Neuroscience)誌で、日本の赤ちゃんの脳の反応を近赤外分光法(NIRS)で測りました。対象は、母音の長さで意味が変わる日本語の区別です。「おばさん」と「おばあさん」の違いと同じ種類の区別で、長さの情報だけで聞き分けるため、第一言語として学ぶ人にも第二言語として学ぶ人にも難しい音です。生後6〜7か月では、音の違いに一般的な聴覚の回路で反応していました。12か月を過ぎると反応が安定し、13か月以上のグループでは、日本語を母語とする大人と同じように左の脳が優位に働くようになりました。

ふたつの研究が示すのは、1歳前後の脳が、毎日聞くことばに合わせて配線を整えていくということです。英語の音がこの時期の耳に届いていれば、英語も「毎日聞くことば」の側に入ります。

相手の気持ちを読む力

バイリンガル教育の効果は、ことばの知識だけではありません。シカゴ大学のFan、Liberman、Keysar、Kinzlerは、2015年に『サイコロジカル・サイエンス』(Psychological Science)誌で、話し手の立場に立たないと意図がわからない課題を子どもたちに出しました。モノリンガルの子どもは、バイリンガルの子どもよりも、そして自分はバイリンガルではないけれど周りで複数のことばが話される環境にいる子どもよりも、はるかに多く話し手の意図を取り違えました。論文は“Children who were merely exposed to a second language performed as well as bilingual children”(第二のことばに触れていただけの子どもも、バイリンガルの子どもと同じくらいよくできた)と書いています。

同じグループのLibermanらは、2017年に『ディベロップメンタル・サイエンス』誌で、この力が16か月で現れることを示しました。おもちゃが2つあり、1つは話し手からも見え、もう1つは話し手からは見えません。話し手が見えている方を頼むと、モノリンガルの赤ちゃんの選び方は偶然と変わらず、複数のことばに触れて育つ赤ちゃんは、確実に話し手の求めるおもちゃを選びました。しかも結果は、ほかのことばに触れる量の多さとは関係がありませんでした。

家庭でできること

ここまでの研究を家庭の言葉に置きかえると、やることはシンプルです。第一に、ことばは毎日の生活の中で聞かせること。赤ちゃんの耳は、毎日聞く音に合わせて育ちます。第二に、量より規則正しさ。複数のことばに触れて育つ赤ちゃんの伝える力は、触れる量の多さとは関係なく現れました。毎日決まった時間に、短くても続けることが力になります。第三に、親が一緒に楽しむこと。ことばは、人と気持ちを通わせる道具として育ちます。

そして、家庭のことばを手放さないことです。日本語で絵本を読み、日本語で一日の出来事を話す時間は、そのまま子どもの土台になります。英語やほかのことばは、その土台の上に少しずつ積み重ねていけば十分です。

3つ目、4つ目のことばはどうか

海外で暮らす日本の家庭では、子どもが日本語、英語、そして現地のことばを同時に聞いて育つことも珍しくありません。ノースウェスタン大学のSchroederとMarianは、2017年に『インターナショナル・ジャーナル・オブ・バイリンガリズム』(International Journal of Bilingualism)誌で、3言語話者と2言語話者の認知の違いを分析しました。高齢期の認知的な予備力では、3言語話者の強みは2言語話者よりも大きく、子どもと若い大人の抑制の力では、3言語話者は2言語話者と同じ強みを示しました。ことばを増やしても、バイリンガルの強みは失われません。

4〜5つのことばに触れて育つ子どもにとって大切なのは、それぞれのことばに定期的に出会うことです。家庭のことばは家族が、地域のことばは園や学校が受けもち、残りのことばには毎日決まった短い時間を用意する。この考え方は、日本で暮らす家庭が英語を始めるときにもそのまま使えます。

Tatakoは、この「毎日少しずつ」を形にしたおうち英語のレッスンです。パパやママがリードし、子どもは英語の単語をきいて言ってみて、2枚の絵から見つけてタッチし、最後に自分で名前を言います。読むものはないので、字を覚える前の子どもでも参加できます。日本語はおうちのことばのまま、英語ははじめてのことばのひとつとして少しずつ加わります。認知心理学の研究にもとづく独自のメソッドで、まずは英語から始まり、ほかのことばも準備中です。

一生続く贈り物

バイリンガルの効果は、子ども時代で終わりません。カナダのヨーク大学のBialystokらは、2007年に『ニューロサイコロジア』(Neuropsychologia)誌で、記憶外来に紹介された228人の記録から、認知症と診断された184人を分析しました。そのうち51%がバイリンガルでした。ほかの条件がそろっていても、“The bilinguals showed symptoms of dementia 4 years later than monolinguals”(バイリンガルの人は、モノリンガルの人より4年遅れて認知症の症状が現れた)という結果です。

何歳から? 移住先のことばと年齢

スタンフォード大学のKenji Hakuta(ハクタ・ケンジ)、Bialystok、Wileyは、2003年に『サイコロジカル・サイエンス』誌で、1990年のアメリカの国勢調査から、スペイン語または中国語を母語とする230万人の移民のデータを分析しました。移住したときの年齢が上がるほど英語の到達度は下がり、その下がり方は特定の年齢で急に途切れるものではなく、なだらかに続いていました。到達度には受けた教育の量も大きく影響していました。早く始めるほど有利で、遅すぎるということもない。家族の移住を考えるうえで、心強いデータです。

MITとハーバード大学のHartshorne、Tenenbaum、Pinkerは、2018年に『コグニション』(Cognition)誌で、英語を母語とする人としない人、合わせて669,498人のデータから、文法を学ぶ力が年齢とともにどう変わるかを推定しました。論文は“Children learn language more easily than adults”(子どもは大人より簡単にことばを学ぶ)と書き、文法を学ぶ力が17.4歳近くまで保たれ、その後は着実に下がることを示しました。この推定は、いまの年齢、はじめて触れた年齢、触れてきた年数を分けて行われました。幼いころに始めた子どもは、学ぶ力が高い時期に、ことばに触れる年数を長く積み重ねられます。

海外で暮らす力として

小さいころから複数のことばに触れて育った子どもは、移住先で学校に入るとき、友だちを作るとき、のちに仕事を探すときに、ことばの壁を低く感じます。そして家庭のことばを保てば、日本の家族や友だちとのつながりも失いません。バイリンガル教育は、子どもがどの国でも自分の居場所を作れるようにする準備です。移住した年齢が若いほど移住先のことばの到達度が高くなるという国勢調査のデータは、家族で海外へ移るタイミングを考えるときの大切な材料になります。子どもが小さいうちに移れば、新しいことばを学ぶ時間をそれだけ長く確保できます。

実際に海外へ移る家庭の例として、仙台からペナンに移った祖母と孫の1年があります。英語で学ぶ学校に入った孫が、どのように新しい暮らしに慣れていったかを読むことができます。

家族の移住は、書類の組み立てで決まります

子ども連れの移住で手続きがやり直しになる理由は、細かな条件の抜けです。出生証明書や戸籍の翻訳と認証がそろっていない、子どもの年齢が家族帯同の条件に合わない、在留資格が家族の働き方に合っていない、といったことです。Murblzは国と在留資格の選び方から、家族全員の書類、学校、現地での手続きまで、ご家族と一緒に一つずつ確実に進めます。

サポートの費用は担当者にお問い合わせください。

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Murblzがご家族の移住をサポートします

子どもと一緒の海外移住では、ことばのほかにも決めることがたくさんあります。国と在留資格の選び方、家族全員の書類、学校、住まい、口座。Murblzは、ご家族の予算と予定に合わせて国と在留資格の道を選び、配偶者と子どもの申請書類を整え、現地での手続きまで一緒に進めます。投資で居住権を得られる国の一覧はゴールデンビザの国と地域で比べられます。サポートの費用は担当者にお問い合わせください。

ことばは毎日の少しずつで育ち、家族の新しい暮らしは一つの確かな計画から始まります。国選びから現地の手続きまで、Murblzがご家族と一緒に進めます。家族の移住を相談する

よくある質問

バイリンガル教育は何歳から始めるのがいいですか?
早く始めるほど有利です。生後6〜12か月で、毎日聞くことばの音を聞き分ける力が伸び、ふだん聞かない音の聞き分けは下がります。とはいえ、移住した年齢と到達度の関係はなだらかで、始めるのに遅すぎる年齢はありません。
ふたつのことばを聞かせると、日本語が遅れませんか?
ことばの習得の速さは、バイリンガルとモノリンガルで同じくらいです。ふたつのことばを同時に学ぶ赤ちゃんは、学び方そのものが柔軟になります。ことばの発達に不安があるときは、小児科医に相談し、家庭で使っていることばも伝えてください。
親が英語を話せなくても、バイリンガル教育はできますか?
親の英語力より、毎日触れることが大切です。周りで複数のことばが話される環境にいるだけの子どもも、話し手の意図を読む課題でバイリンガルの子どもと同じくらいよくできました。英語に毎日決まった時間で触れ、親がそばで一緒に楽しめば十分です。
3つ以上のことばを同時に学ぶのは負担になりませんか?
3言語で育つ子どもと若い大人は、抑制の力で2言語話者と同じ強みを示しました。それぞれのことばに、決まった人と決まった時間で定期的に触れられれば、ことばを増やしても強みは失われません。
子どもを連れて海外移住するなら、何から準備しますか?
まず、家族の予算と働き方に合う国と在留資格を決め、子どもの出生証明書や戸籍の翻訳など、家族全員の書類をそろえます。学校の入学時期から逆算して計画すると、移住後の生活が早く落ち着きます。Murblzが国選びから手続きまで一緒に進めます。

ご自身で調べるのは大変ではありませんか?

手続き全体を一貫してサポートします:書類を確認し、状況に合うプログラムを選び、率直な期間と費用をお伝えします。チャットでご質問ください。無料相談はここから始まります。官公庁や裁判所での法的代理は、Murblzの専門家が現地の資格を持つパートナーと連携して担当します。

このページのチャットで、Murblzのコンサルタントがすぐにお答えします。状況をお書きいただければ、一緒に解決策を考えます。

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この後の流れ

  1. 専門家があなたの状況と目的を確認します。
  2. ご希望の方法でご連絡し、ご質問にお答えします。
  3. 作業計画、率直な期間、書面のお見積もりをお伝えします。
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